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甘く焼き上がった焼き芋

W.S.です。

薪に火を入れると、乾いた音とともに炎が立ち上がり、やがて、ぱちり、ぱちりと静かに爆ぜはじめます。

灰の中にそっと埋めたさつまいもは、ゆっくりと熱を受け止めながら、ほんのりと甘い香りを漂わせています。やわらかく、懐かしい香りでした。

火の揺らぎを眺めていると、時間の感覚がほどけていく気がします。

ただ座り、薪の音を聞き、煙の行方を目で追う。静かに待つ。その時間さえも、心を満たしているのだと思います。

待つことを楽しみすぎたのか、取り出した芋は少しだけ焼きすぎて、皮の一部が深く色づいていました。
でも割ると、中はとろりとほどけ、蜜のように甘く焼き上がっています。

ランチは焼いたシャケのおにぎりとゆで卵。そして、じっくり焼いた焼き芋。
どこにでもある素朴な組み合わせです。
それなのに、不思議なほど贅沢に感じられます。
特別な料理ではなく、特別な時間が、すべての味を深くしてくれるのだと思いました。

 

文・写真:W.S.
夫と共に都心と青野原の二拠点で暮らす

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