先日、『サマーウォーズ』というアニメを観ました。
特に意味のあるセレクトではなかったのですが、
観終わってみて思ったのは、
「これは、とても素敵な家族の話だ」ということ。

僕は家を設計するときに、そこに住む人のことを考えます。
家族がその家でどんな風に暮らすのか。
それが想像できなければ、僕はたぶん、設計が進まないでしょう。
だから、事前にたくさんお客さまと話をします。
家族のこと、暮らしのこと、趣味のこと、将来のことなど…。

アニメ『サマーウォーズ』を観て、
日本での家族の意味、日本人が抱いている家族への想いが
改めて、わかったような気がしました。
けれど、最近は家族という繋がりが
昔に比べて希薄になっているようにも感じます。
おそらく、家族の輪の中で起きる問題を回避できるチャンスが
少なくなっているからだと思います。

以前、「核家族」と言われていた問題とはまた違う、
家族同士でのコミュニケーション不足。
一緒に暮らしている親や兄弟とも話をする機会が少なくなり、
まして、近所の人ともなればさらに遠い存在。
友だちですら、気軽に相談や悩みを打ち明ける環境でもありません。

だからこそ、強く思うんです。
人を招く家が必要なんだって。
だってきっと、いろいろな人が訪れる家って
お互いが信頼し合っている家族の象徴なんじゃないかって。
あたたかくて、居心地がよくて、つい人を招きたくなる。
そんな家づくりに少しでもお役に立てたら、
僕はとても幸せだなぁと思います。