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光を替える、空間が変わる

こんにちは、李です。

これまでテーブルの上はスポットライトでした。
必要な場所を的確に照らし、手元は明るく、作業をするには合理的で、無駄のない光です。

スポットライトは、指向性の強い照明です。光を一点に集め、対象を強調します。
美術館や店舗で多く使われるのはそのためで、視線を誘導し、空間にメリハリをつくる役割を持っています。
ただその分、光と影のコントラストがはっきりし、空間全体を包むというよりは、「照らす」という性質が強い灯りです。

今回、木製のペンダントランプを迎えました。
何層と重なったレイヤーの隙間から、やわらかな光が漏れ出します。
点ではなく、面でもなく、層を通してにじむ光。
下方向を照らしながら、同時に周囲へと穏やかに広がります。

ペンダントランプは、光源の位置が低くなることで、人の視線に近い高さに“灯りの重心”をつくります。
天井からの光とは違い、空間に親密さが生まれるのはそのためです。
さらに、木という素材は光をわずかに吸収し、反射をやわらげます。
直接光ではなく、素材を介した拡散光になることで、陰影が穏やかに整えられます。

光を替えただけなのに、部屋の空気が少し落ち着きました。照らす光から、包む光へ。灯りの性質が変わると、過ごし方も自然と変わっていくようです。

一級建築士 李 孝哲

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