本沢梅園で梅の香りに癒やされたあと、少し足を伸ばして金刀比羅宮(ことひらぐう)へと向かいました。
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城山湖の東側、龍籠山(たつごやま)の山頂付近にあるこの場所からの眺めが素晴らしいと聞いていたからです。
覚悟を決めて登る、赤い鳥居への道

梅園を抜けて少し山道を歩くと、目の前に現れたのは想像以上の急斜面。
「本当にここを登ってもいいのかな……」と一瞬ためらうほどの高い段差が続きます。
その先に、パッと鮮やかな赤い鳥居が見えたときには、心地よい達成感が込み上げてきました。
坂を登り切った先には、山の上ならではの清々しい景色が広がっていました。

守られた本殿と、語り継がれる奇跡

ここ金刀比羅宮は、古くからこの地に幸福をもたらす竜神・水神を祀る神社だそうです。
お参りをしていると、地元の方が声をかけてくださいました。
教えていただいたのは、2018年の台風24号のときのお話。
境内にあった立派な保存樹木のヒノキが倒れてしまったそうなのですが、その太い幹は、まるで本殿を避けるかのように、何もない場所へと倒れたのだといいます。
「神様のご利益かもしれないね」
そう話す方の表情には、この場所を大切に想う気持ちが溢れていました。
今は切り株だけが残されていますが、倒れた跡を眺めていると、偶然を超えた不思議な力を分けてもらったような、温かい気持ちになりました。
展望台で出会った、もう一つの景色

お宮からさらに登ると、そこには圧巻の展望台が待っていました。
2月の後半、この日は少し春霞がかかっていて、遠くの街並みは柔らかく白んでいました。
それでも十分に美しい景色。
ふと横を見ると、他の観光客の方に「もっと遠くまで見える時期」の写真を見せている男性がいらっしゃいました。
思わず「私にも見せていただけませんか?」と話しかけると、その方は快く、素晴らしい写真を見せてくださいました。
この場所を愛し、定点撮影を続けている方だったのです。
「4月の半ばには、スカイツリーの向こう側から昇る日の出が見られるんですよ」
「その時期は、早朝からカメラマンがずらっと並ぶんです」
有名な写真家の方々も撮影に訪れるというその絶景。
惜しみなく情報を教えてくださるその方の気前良さに、景色だけでなく人の心の温かさにも触れた気がしました。
春の陽光の中で見る、また別の景色も見てみたいと、次への楽しみを胸に山を降りました。
文・写真:モッケヤスタッフ A.N.
MOKKEJAのある青野原を中心に活動。1歳の息子の子育て中。




