古民家園 茅葺き屋根を守るかまどの煙と、それをつなぐボランティアの方々の想い

モッケヤスタッフのA.N.です。

スマートフォンの写真フォルダを整理していたら、去年の今頃に訪れた相模川自然の村公園の景色が出てきました。 当時の写真を見返していると、あの時鼻をくすぐった、かまどの香りが鮮明に思い出されます。

相模川自然の村公園内、河津桜の濃いピンク色のつぼみ
去年の2月の終わり。芝生はまだ茶色く、小川も静かな時期でしたが、一角に咲く河津桜が印象的でした。 ふっくらと膨らんだ蕾の先からこぼれる色は、これから始まる季節の生命力に溢れていて、見ているだけで力がもらえるような心地がしたのを覚えています。

梅の花の向こうに見える、相模川自然の村公園内 古民家園
公園内にある古民家園に足を入れると、かまどの焚き口から細い煙がゆっくりと立ち上り、茅葺き屋根へと吸い込まれていきました。

相模川自然の村公園内 古民家園のかまどで火を焚く男性の後ろ姿
「こうして燻(いぶ)すことで、虫を避け、屋根を長持ちさせているんですよ」
管理されている方からそのお話を聞いたとき、何より驚いたのは、この大切な手入れを担っているのが、地域の方々を中心としたボランティアの皆さんだということでした。

自宅に戻ってから調べて知ったのですが、文化財の保存に必要なこの燻煙の技術は、職人が減少し、技術の継承が課題となっているそうです。

仕事という枠組みを超えて、この場所を、この風景を、次世代へ繋ぎたい。 そんな純粋な願いから、火を焚き、煙を回し続けている。 効率や報酬を優先する今の時代に、これほどまでにひたむきな守るための営みがあることに、深い敬意を感じずにはいられませんでした。

冬の名残を感じる散歩道で出会った、あの温かな煙。
目に見える華やかさだけではなく、その背後にある守り続ける手に心を寄せると、自分も、今ある大切なものを次の世代に繋げていけるような、そんなことが少しでもできたらと思いました。

写真を整理をしながら、去年の自分に教えられたような、少し不思議で温かい気持ちで、新しい季節を待っています。

 

文・写真:モッケヤスタッフ A.N.
MOKKEJAのある青野原を中心に活動。1歳の息子の子育て中。

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