設計が決まり、工事が始まる前というのは、
ワクワクする思いと無事に終えられるようにと祈る気持ちが
一緒になって気分が高揚します。
新たに工事に取り掛かるのは、
1,2階がバイク整備工場で3階が自宅という物件です。
依頼主様は、お父様の代からここに住んでいる方。
ここで40年もの間、バイク整備工場を営んでいましたが、
不幸にも火事で消失してしまい、
新たに建て直すことになったのです。
元々、ご自身もバイクマニアな依頼主様。
それ故にこだわりがあり、整備するバイクはイギリス製が主です。
ちなみに、写真に写っているスクーターは、
依頼主様とは無関係です。念のため。
イギリスのバイクを整備できる工場は他にあまりなく、
愛好家たちが集まるちょっとしたコミュニティにも
なっていたのだとか。
そんな大切な場所ならば、
ますます気合を入れて取り組まなくては、と思います。
整備工場は、働きやすく、人が集まりやすい空間に。
そして、自宅部分はゆっくりと疲れを癒やす安らぎの空間に。
愛着のあるこの場所を、もっと好きになってくれるような
そんな場所づくりのお役に立てたら、
建築家冥利に尽きると、僕は思うのです。
