生涯、石と向き合ってきた青野原の石職人

散歩のついでに、前を通っていた近所の石屋さん。

こんにちは、李です。

何度か足を運んでいたものの、タイミングが合わず社長にお会いしたことはありませんでした。
それがある日、ふとした偶然でお会いすることができたのです。
思いきって石のことを尋ねてみると、社長は驚くほどあたたかく迎えてくださいました。
石のことだけでなく、敷地のあちこちまで丁寧に案内していただきました。

赤く錆びたように見える石材

写真の赤茶色にさびたように見える石は、もともと含まれていた鉄分が、雨や空気に触れて長い時間をかけて変化したもの。
人が手を加えたわけではなく、自然がゆっくりと育てた色と表情です。

ひとつとして同じものがない。
一生、石と向き合った社長から聞くとまるで違う重みで伝わってきました。

石の重さも、大きさだけでは決まらない。
鉄分や鉱物をたっぷり含んだ石は密度が高く、見た目以上にずっしりとした重さがあります。
敷地には、一枚で1トンを軽く超えそうな大きな石がごろごろと並んでいました。

石屋さんに積み上げられた石 2〜3枚で人の背丈ほど積み上がっている

色も形も豊かで、お寺の庭をつくるための石、建物の顔になる石——どれも圧倒的な存在感がありました。
少し大きすぎるけれど、モッケヤの庭にも置いてみたい。そんな気持ちになる石ばかりでした。

一角には、乾燥中の木材も整然と積まれていました。
かつては製材もされていたのだとか。
敷地のすみずみまで丁寧に整えられていて、その仕事ぶりから社長の人柄がそのまま伝わってきます。

乾燥中の木材

趣味の盆栽も見事で、どこを切り取っても絵になる。

盆栽

ふと年齢を尋ねると、80を超えているとのこと。長年、自然の石と向き合い続けてきた人だからでしょうか。そのエネルギーは静かでいて力強く、話しているだけで不思議と温かい気持ちになりました。

またひとつ、青野原で通いたくなる場所が増えました。

一級建築士 李 孝哲

  • facebook
  • pintarest
  • instagram